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21.07.28 けんか

自由遊びの時間からお帰りの時間までたんぽぽ組の部屋に入った時のこと・・・・突然年中組の男児がトイレの前で大きな声でけんかをはじめた・・・・。

突然始まったけんかで・・・・・写真が無いのが残念。

ここで始まりました・・・・・・。


「僕が1番前やったー!!!!」「いや、ちがうー!!!俺が前やった!!!」と、どうやらトイレに並ぶのがどちらが早かったかについてもめている様子。

「ちがう!!」「ちーがーうーーーー!!!」「んーーーーー!!!!」「うそいってる!!!」と、怒って 泣きながら、そして地団駄を踏みながら もう顔はくしゃくしゃ・・・・。お互いに引かない・・・・・。

しばらく そっとして 見ておくことにしました。

けんかというものは ちゃんとさせてあげたら、ちゃーんと終わりがやってきます。

頭も、体も めいっぱい使いますから とーーーっても疲れます。

とうとうお帰りの時間に突入!!

けんかは時間がやってきたから・・・・じゃあ・・・・そろそろこの辺で・・・・・といって都合よく終わるものではありません・・・・。

終わらない叫び声・・・・・。涙と鼻水・・・・。

担任の先生のお話が静かに始まろうとしていたので、とりあえずホールに戦いの場所を変えてみてお付き合い・・・・。笑

まだまだどちらも引き下がらない・・・・・。

それまで、「僕が先!!」「僕が前!!!」の一点張りでしたが、ホールに移動してから言葉のチョイスが変わった!!

「僕が並んでたのに、抜かして前にいったんやー!!」と。

ん????        風向きが変わった瞬間・・・・・。

「へえ そうだったん?」と相槌を打つと・・・・・「(うん・・・・と うなずいて・・・)抜かしてもうた・・・・。」と、もう一人もポツリポツリ・・・・・。

抜かされた方はほっとした表情・・・・・大きなため息・・・・・。あーーーーつかれた・・・・もうすぐ終わる・・・・と悟ったかのようなフライングため息・・・・笑

「で・・・・・・どうする・・・?」と、たずねると・・・・・・。

「もう いい・・・・。」

「おわる。」(けんかを・・・・。)

じゃあ お部屋に戻ろう……ということでとぼとぼと帰りました。

帰ってから・・・・・・トイレへ・・・・・。

2人ともトイレに行く前にもめていたわけですから行きたかったんでしょうね。

2人ともパーッとトイレにかけていきました。んんん・・・・・又1番を取り合うのか?もう1度けんかが始まるか・・・・・と思って見ていたら・・・・・。

さっき抜かしてしまった・・・と言った男児がキューーーーーっとトイレ前でブレーキをかけて止まって、振り返ってもう一人の彼が先に並ぶのをにこっと笑って待ったんです。

とても とても うれしかったです。

そうそう ここからけんかが始まったんだったっけ・・・・・。行動はその人の頭の中を表します。

「さっき 抜かしちゃって・・・・けんかになったんだ・・・・・」とか「先に並んでたのは、お友達のほうだったんだ・・・・。」とか思ったんでしょうね。

けんかは人を豊かに育てます。

言葉を選んだり、相手はなぜこんなことを言うのだろうと考えたり、自分の気持ちに折り合いをつけたり、これからどのようにしたらいいのか考えたり・・・・・

沢山の学びを頂きます。

「けんか」と聞くと「悪いこと」「やっちゃいけない事」・・・・と思ってしまいます。

そう思うのは 私達が色んなことを経験して大人になっているということ・・・・経験したことを総合的に見て けんかはしない方がいいなあと・・・・思っているだけのことです。

「けんかしないで遊んだ方が楽しく過ごせること」「相手に大きな声出して汚い言葉や嫌なことを相手に言うときすごく心臓がドキドキする事、声が震えること。」「傷つけて相手を泣かしてしまった時、何だか自分も泣きたくなること」「けんかして相手をやっつけて勝ったのに、心がずっと もやもやしてすっきりしないこと」・・・・・・経験して知っている事がそう思わせているのです。

今まさに子どもたちはその経験をしようとしているところ!!

とてもとても貴重な経験を通して 自分の力で宝を手に入れようとしているところです。

けんかが始まった時は、そっと 見守ってみることも大切かもしれませんね。

子どもたちには、「仲良く遊ぶとは?」「気持ち良く遊ぶとは?」「やさしくってどんなこと?」って 自分で見つけて 自分で考えて 自分で工夫して 自分なりの着地をしてほしいと願っています。

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