23.03.16 かけがえのない命とは??
ばら組が大切に育てていた幼虫のふわちゃんが亡くなりました。
お世話をしようと開けたら真っ黒になっていて、触っても動きません。
「え???!!!」
「動かない・・・・・。」
ふわちゃんは、あけぼの幼稚園にやってきた時から、少し小さめでした。
もしかしたら、体が弱かったのかもしれません。
私たちは、子どもたちに完全に任せながら、飼育してもらうことにこだわりました。
なので・・・・きっと・・・こんなことに出逢うときが来るだろう・・・・ということもすべて織り込み済みでした。
子どもたちが職員室に真っ黒になった幼虫を泣きながら持ってきた時・・・・「あ・・・・学ぶときが与えられたんだな・・・・。」と思いました。
ふわちゃんはきっと、一生懸命生きて、子どもたちに大事にしてもらって幸せだったでしょう・・・・。
自分たちの力で飼育すると、起こるすべてのことが自分事になる・・・・・。それがとーーーっても大事。
お花でも、虫でもなんでも子どもたちの意識がそこにあれば、こうやって心も動くし、どうしてこんなことになったのか頭で考える・・・・。
ふわちゃんが亡くなってから、「埋めてあげよう」という発想になるまで・・・実は1週間ほどありました。
その間に子どもたちが考えたものの数々・・・・。
「どうやったら生き返るか・・・・。」
「神さまにお願いしてみよう・・・・。」
「調べてみよう・・・・・。」
「黒くなった体を絵具で白く塗ったらいいんじゃないか・・・・。」
「パラダイスを作ってあげよう・・・・・。」
「きれいな箱を作ってあげてそこで眠らせてあげよう・・・・・。」
などなど・・・・・・。
ある日、ある女児が私のところにやってきて・・・・・
「先生、お父さんがね、亡くなった命はもうかえらないって言ってた・・・。」と・・・。
もう生き返らないことは彼らもわかっていたようでしたが、なかなか気持ちの整理がつかない様子でした。
やっと・・・・ふわちゃんとサヨナラする心の準備が始まりました。
そして、上の写真のようにみんなで埋めてあげることになったんです。
ふわちゃんを通して、子どもたちはかけがえのない命の重さ、大切さを学びました。彼らは1匹1匹に名前をつけて、育てています。
同じように見える幼虫さんですが、大きさも形も違っていて・・・。
世の中に一つしかない「ふわちゃん」という命との別れを経験したのです。
だから悲しかった・・・・・。
彼らの頭の中に「1匹いなくなってもまだ何匹かいるからだいじょうぶだよね。」という感覚はありませんでした。
「かけがえのない命」とは・・・・・??
そんなことを考えさせられた出来事でした。
ふわちゃん・・・・・・ありがとう・・・・・。